香る部屋さよなら2007

2007年12月28日

『恋と退屈』/峯田和伸

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『恋と退屈』を読了。
これは、峯田が昔書いてたブログ『峯田和伸の★朝焼けニャンニャン』を書籍化したもの。峯田は銀杏BOYZというバンドのヴォーカルなんだけど、実は曲もつい最近まで知らなかった。知ってしまうと、聴いたら躍り出して、叫びだして、しまいには泣いてしまう!そんな歌だ。
初めてのテレビ出演「NEWS23」を夫が録画してくれた。これ見て2人で泣いたね。魂が揺さぶられるね。youtubeにあるんだけど、アタシよくわかんなくてさ、ここにうまく貼り付けられないので、興味ある方は「NEWS23 銀杏」でググってみてください。1番目に出て来ます。是非!泣きます。
アタシが彼を知ったのは、2005年の夏にロックインジャパンFESに出演した際に、全裸になって、公然ワイセツで警察で事情聴取を受けるというニュースをネット上で見たからだ。で、そのニュースからのリンクで朝焼けニャンニャンを初めて読んだ。
その日記は衝撃的だった。なんていうかなー、音楽をやってること、生きてること、恋すること、エッチなことも含めて、実がいっぱい詰まった日記だったのだー。
アタシはすぐに『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン・コールフィールドを思い浮かべた。ホールデンよりも人を惹きつける(気がする!)。
それから、アタシは時々彼のブログを覗いていた。下品な話ばっかりなんだけど、あったかくて人間味があって、感動を呼ぶんだ。
生きてる、その血を感じずにはいられない。不思議だけど。
今回、書籍になったものを一気読みした。もちろん読んだことあるやつもあった。だけどね、通して読んでみるとまた印象が違う。これは本だ。ちょっとシャレッ気づいたイマドキの作家の小説読むよりずっと心にずしーっと来る。物語みたいに胸に積み重なっていく。元々彼らのバンドの音も聴いたことのない、銀杏のファンなわけじゃないアタシが単純に「読み物」として読んでこんなに感動するんだから、これは単に誰かの日記ってだけじゃない。作品だ!と思う。だけど、じっさい誰かの日記なんだよなぁー。人の日常のほうがおもしろいんだ。
小説はそりゃおもしろいに決まってる。だって、おもしろくするために世界をいくらでも作れるんだから。だけど、リアルには勝てない。涙や鼻水や血を流しながら体験したことにはかなわんなぁーと思うんだよ。
こんなに響くとはなぁ。こころに。穴空いてるから、染み込むのかもな。
ライブで怪我してずーっと入院したり、その病院での日々やら、日常の風景、仲間との悪ふざけ、友達の死、マネージャーの病気の告白、3年続いた彼女との別れの夜のこと、昔っから応援してくれてるファンの子とか、街で話し掛けてきた男のファンと喫茶店に入って話したり、冴えない高校時代のこととか、すごい盛りだくさん。ここには書けないような話もいっぱい(たぶん、そっちのほうがいっぱい)。
読んでる途中アタシは、笑った。きゅーんと切なくなった。そしてちょっぴり泣いた。

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ぶ厚くて、表紙にビニールがかかってて、本の装丁も好みです!

at 14:15│Comments(0)  

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